端午の節句の時期が近付くと、スーパーやお団子屋さんでは柏餅を販売しているのをよく見かけます。
確かに、柏餅は端午の節句の食事の中でも特に定番の料理ですよね。
ですが、端午の節句の料理の中には柏餅以外にも縁起の良い食べ物がたくさんあります。
そこで今回は、端午の節句の時に食べると縁起が良いと言われている食事をいくつかご紹介いたします。
端午の節句の食事~定番なもの~
まずは端午の節句といえばと言われている食事についてです。
大抵思い浮かぶのは「柏餅」と「ちまき」ではないでしょうか?
では、実際に端午の節句における柏餅とちまきにはどのような意味が込められているのでしょうか?
柏餅に込められた意味や由来とは?
端午の節句の定番の食事とえいば柏餅ですが、何故端午の節句の時に柏餅を食べるのでしょうか?
まず、柏餅を包んでいる柏の葉っぱについてです。
実はこの葉っぱをよく見ると、外表に巻いているものと裏を外向けにしている中表に巻いているものと2種類あります。
これは外表に巻いているなら小豆あんを使用しており、中表に巻いているなら味噌あんを使用しているという違いがあります。
なので、もしそれぞれで巻き方が違うものを見つけたら、自分の好みのものを選んでみてください。
そんな柏餅ですが、非常に縁起の良い食べ物となっています。
元々柏は「神聖な木」とされているもので、新芽が出ないと古い葉が落ちないということから「子どもが生まれるまでは親は亡くならない」と連想され、「跡継ぎが途絶えることはない」すなわち子孫繁栄という意味に繋がっていきます。
こういったことから、子どもの健やかな健康と子孫繁栄を願うという意味で、柏餅は非常に縁起の良い食事と言われています。
さらに、よもぎ餅に使われているよもぎは、昔から邪気を祓うと言われており、厄除けとしても非常に効果の高いものとされてきました。
ちまきに込められた意味や由来とは?
ちまきを端午の節句の時に食べるようになったのは、実は中国の故事が由来となっています。
それは今から2300年前のこと。
詩人で政治家でもある屈原という人は、非常に正義感や愛国心にあふれており、時には優秀な政治家として、時には国王の側近として仕えていることから、多くの人々に親しまれていました。
ですが、ある日陰謀に巻き込まれてしまった屈原は国を追われる立場となってしまい、今まで一生懸命尽くしてきた国に失望してしまった彼は、汨羅という川に身を投げて亡くなってしまいました。
そして、その日こそが5月5日の端午の節句になると言われています。
屈原を慕っていた人々は非常に悲しみ、彼の命日である5月5日に供物を投げて供養をしていたのですが、悪龍に全て盗まれてしまい、屈原の元へなかなか供物を届けることができませんでした。
そこで人々は、龍の苦手なものである煉樹の葉でもち米を包み、厄除けや邪気祓いの効果がある赤・青・黄・白・黒の五色の糸で縛ってから投げるようにしました。
すると、龍はその供物を盗むことができず、無事に屈原の元に供物が届くようになりました。
こういった言い伝えから、ちまきが誕生し、日本にも邪気を祓ってくれるものとして取り入れられていきました。
さらに、邪気祓いや厄除けの効果がある五色の糸は、子どもが無病息災で無事に成長しますようにという願いが込められているとも言われており、こいのぼりの吹流しの部分にも取り入れられています。
端午の節句の食事~夕飯に食べると縁起が良いもの~
端午の節句といえば柏餅やちまきといったイメージがありますが、実は他にも縁起の良い食事があります。
その中には夕飯のメニューとして取り入れることができるものもあります。
そこで次は、端午の節句の夕飯メニューに取り入れたい食事をご紹介します。
ブリ
まず代表的なのはブリなどの出世魚です。
出世魚は子どもから大人になるまでの間に、名称が変わる魚のことを表しています。
関東地方ではぶりになるまでには「ワカナゴ→イナダ→ワラサ→ブリ」という過程があり、この名前が変わっていく過程は、出世して役職が変わっていく様子を表しているということで、出世魚として非常に縁起が良いものとされています。
また、同じ出世魚としてスズキやボラといった魚もあるので、是非好きな魚を選んでください。
端午の節句の時には、その子の立身出世を願うために、こういった出世魚を振る舞うと良いでしょう。
特にブリは、照り焼きにしたりブリ大根にしたりすることもできるので、夕飯のメニューとしても取り入れやすいのでオススメです。
また、同じ魚の中でも「カツオ」もまた縁起が良い魚とされており、これは「カツオ」(勝男)となり、これは勝負事に勝つということで、こちらも夕飯のメニューに出す家庭が多いようです。
たけのこ
端午の節句の時期のたけのこは、ちょうど旬でもあるのでとても美味しく食べることができます。
ちなみに、端午の節句におけるたけのこは、「まっすぐにぐんぐんと育ってくれますように」という願いが込められており、子どもの健やかな成長を願うのにピッタリな食材です。
さらに、たけのこはたんぱく質も豊富に含まれているので、子どもの成長にも欠かせない食材と言えます。
たけのこは土佐煮にしたり、お味噌汁に入れたりと色々な料理に使えますので、是非入れてみてください。
豆類
端午の節句に限ったことではありませんが、このようなお祝い事の時に豆料理を食べるととても縁起が良いと言われています。
豆には「魔滅」という意味が込められており、邪気や厄を祓ってくれると言われていることから、子どもが元気に育つようにという願いが込められています。
豆類といえば、やはりお赤飯などが思い浮かぶかもしれませんが、もしお赤飯が苦手だという子の場合は、煮豆などでもオススメです。
是非お子さんが喜ぶようなメニューを作ってあげてください。
端午の節句の食事のまとめ
端午の節句の時は、男の子にとって大切な時期です。
だからこそ、しっかりとお祝いしてあげたいですよね。
端午の節句のお祝いとしては、兜やこいのぼりを飾るというのも定番ですが、ちまきや柏餅などの食事もお祝いにピッタリです。
また、他にもブリやたけのこなど、夕飯のメニューに使えそうな食材もまた縁起の良いものとなっています。
一年に一度の大切な節句ですので、食事面でもお祝いのメニューを作ってみてはいかがでしょうか?